尿濃縮力障害
尿濃縮力障害とは何か、尿濃縮力障害の症状や原因、治療法を紹介します。
尿濃縮力障害とは?
尿濃縮力障害は腎臓機能の低下により、体内の水分量(体液量)を必要に応じて調節することができなくなる障害です。朝起きた時や運動で汗をかいた後に尿が濃くなるのは、体から余分な水分が失われないようにするためです。この機能が低下すると、たくさんの尿が出る、夜中にトイレに頻繁に行くなどの症状が現れます。
尿濃縮力障害の症状
尿量が多い「多尿」状態を、尿濃縮力障害と呼んでいます。1日の尿量が3000ml以上の場合に疾患を疑います。健康的な方の尿量は一般的に1000~2000mlなので、トイレの回数がとても多くなります。多尿と頻尿の区別がつかない時は、1日の尿量をためて多尿かどうかを判断します。
また口の渇きがある場合、多く水分を摂るようになるため、多尿になりやすくなります。
尿濃縮力障害の原因
糖尿病や尿崩症、慢性腎不全、多飲などが多尿の原因になりやすいと言います。なかでも最も多いのは尿崩症です。尿崩症は体の水分保持機能が低下することで起こりやすく、「中枢性尿崩症」と「腎性尿崩症」があります。
「中枢性尿崩症」は脳の下垂体後葉から分泌される腎臓の尿濃縮を行うホルモン(抗利尿ホルモン)が、何らかの障害で分泌されなくなり、尿が薄くなったり量が増加したりします。
一方で「腎性尿崩症」は抗利尿ホルモンが正常に分泌されてはいるものの、腎臓の尿細管に異常があることで上手く反応せずに多尿になります。
尿濃縮力障害の治療
尿濃縮力障害の治療は多尿原因により異なります。糖尿病が多尿を引き起こしている場合は血糖コントロールを行います。抗利尿ホルモンの分泌や作用が原因となる尿崩症は内服薬や点鼻薬にて治療を行います。アレルギー反応などの免疫が関連する場合はステロイド薬を用いたり、病状が進行して腎不全となった時は血液透析治療を導入開始したりします。
検査後の診断によって治療方針が変わるため、まずは信頼できる医師に相談をしてみましょう。
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