知って欲しい、慢性腎臓病(CKD)の原因・症状・予防方法

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合併症の併発

慢性腎臓病になるとどんな合併症が現れるのか。ステージ3以降の合併症について紹介します。

慢性腎臓病の合併症とは?多大なリスクに注意

慢性腎臓病は初期段階では自覚症状はないものの、ステージ3以降になると腎臓機能低下に伴って様々な合併症が徐々に出現してきます。合併症にはどのようなものがあるのか、ステージ3~5において出現する合併症をまとめて紹介します。

慢性腎臓病の合併症(1)尿濃縮力障害

腎臓機能が低下していると尿の濃さを調節する力(尿濃縮力)の障害が起きます。朝起きた時や運動で汗を書いたあとに尿が濃くなるのも、腎臓が体から余分な水分を失わないようにと、濃さを調節しているからです。この力に障害が起きると、たくさんの尿が出たり、夜間に頻繁にトイレに行くようになったりなどの症状が出ます。

慢性腎臓病の合併症(2)高窒素血症

腎臓の糸球体のろ過機能が低下することで、血液中の尿素窒素が上昇します。尿素窒素が上昇すると腎臓の糸球体に負担をかけてしまい、高度になると尿毒症の症状が出現します。尿毒症になると消化器や中枢神経、末梢神経、血液などに異常が現れますが、通常はステージ5(末期腎不全)まで無症状です。症状が現れ始めたら、透析開始のサインにもなります。

慢性腎臓病の合併症(3)体液過剰・高カリウム血症

体内に入った塩分やカリウムはほとんどが腎臓から排出されるため、腎臓機能が低下すると十分な排出ができず、体液過剰や高カリウム血症になります。体液過剰になるとむくみや高血圧になり、進行すると「肺水腫」や「うっ血性心不全」になる可能性もあります。高カリウム血症になると不整脈や口・手のしびれが現れます。高度になると心臓が止まることもあり大変危険です。

慢性腎臓病の合併症(4)代謝性アシドーシス

腎臓の働きが低下すると人間の体は酸性に傾きます。体は通常弱アルカリ性を保っていますが、酸性の物質が多く作られるため、それを排泄しなくてはいけません。それを担っているのが腎臓なので、働きが弱まると酸性の物質を排泄できず傾いてしまうのです。

慢性腎臓病の合併症(5)腎性貧血

腎臓機能が低下すると、血液中の赤血球の数が少なくなり貧血になりやすくなります。通常は赤血球が少なくなると腎臓から造血ホルモンが出るのですが、腎臓機能が低下していると造血ホルモンを作ることができず貧血が進行します。階段を上がる時に動機や息切れがしたり、倦怠感があったりします。

慢性腎臓病の合併症(6)二次性副甲状腺機能亢進症

腎臓機能が低下するとカルシウムの吸収が不足して、血液中のカルシウム濃度が低下してしまいます。体に必要なカルシウムを吸収するにはビタミンDの力が必要なのですが、ビタミンDを活性化するのが腎臓のため、機能低下に伴いカルシウムの吸収ができなくなってしまうのです。これによりカルシウムとリンのバランスが崩れ、骨が弱まります。

慢性腎臓病の合併症(7)心不全・肺水腫

慢性腎臓病になると「虚血性心疾患」や「大動脈弁狭窄症」になりやすく、進行すると「慢性うっ血性心不全」を引き起こします。心臓のポンプ機能が低下した状態になるため血液が上手く循環せず、呼吸困難の原因となります。
また肺の中に水がたまる肺水腫も、呼吸困難をはじめ様々な症状をもたらします。

慢性腎臓病の合併症(8)感染症

細菌による感染症やウイルスによる感染症が腎臓や膀胱に影響を与えることがあります。細菌が尿路に入り込んだ状態で起こる「尿路感染症」や、腎臓と尿管の間に細菌が入り込んで増える「腎盂腎炎」などにより、体に様々な症状があらわれます。

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