高窒素血症
体内で老廃物が増加してしまう「高窒素血症」。発症すると現れる症状や原因、治療方法まで調べました。
高窒素血症とは?
高窒素血症は血液中の尿素窒素(BUN)やクレアチニン(Cr)、尿酸などの値が高い状態のことを言います。体内では様々な物質が産生されますが、なかには生体に有害な作用をもたらすものがあります。
有害な作用をもたらす物質はクレアチニン、尿素窒素と平行して増えることが多いため、血液中の尿素窒素やクレアチニンの値が、有害な作用をもたらす物質のたまり具合を知る目安となります。
高窒素血症の症状
最も多く見られる症状は、食欲不振などの消化器症状です。他にもいくつかの症状が確認されています。
- 消化器症状
口臭(アンモニア臭)、食欲不振、下痢、嘔吐、消化管出血、口の乾燥、口の渇き、口内炎 - 末梢神経症状
知覚障害、restless legs、burning feet 症候群、末梢神経痛、筋肉の痙攣、全身の痙攣 - 血液異常の症状
貧血、動悸、息切れ、倦怠感 - 中枢神経症状
頭痛、意識障害、精神症状(幻覚)、錯乱、速脈 - その他
皮膚の痒み、皮膚・粘膜への色素沈着、尿素結晶析出網膜症、網膜剥離、女性の無月経など
高窒素血症の原因
高窒素血症の主な原因は、多くの場合、急性の腎不全です。腎臓は血液を血圧でろ過するため、血圧への圧力が低下するとろ過機能が低下してしまいます。ろ過機能が低下すると尿の生産が減り、腎臓の老廃物が尿中に排出されなくなります。その結果老廃物が血中に蓄積されることとなり、様々な症状が現れます。初期の場合症状がほとんどないため、症状の出現は透析開始のサインにもなっています。
高窒素血症の治療
高窒素血症の治療は血液透析や腹膜透析にて行います。血液透析を受けると症状を緩和させることができ、腹膜透析を受けると尿と皮膚の異常を改善させることができます。他にも腹痛症状がある時は抗生物質を、貧血がある時は血液製剤を服用します。