知って欲しい、慢性腎臓病(CKD)の原因・症状・予防方法

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その8 急性腎臓病との違い

慢性腎臓病と急性腎臓病の違いは?それぞれの特徴や治療方法を紹介します。

慢性腎臓病と急性腎臓病の違い

腎臓病は、腎臓の糸球体や尿細管が冒されることで腎臓機能が低下する病気です。ひと口に腎臓病といっても症状や原因は様々ですが、「慢性腎臓病」と「急性腎臓病」に大きく分けることができます。それぞれの特徴を見てみましょう。

慢性腎臓病

慢性腎臓病は「腎臓障害」または「腎機能低下」が3ヶ月以上続いている時の状態の総称です。日本では慢性腎臓病罹患率が成人全体の8分の1、80歳台では2分の1となっています。「腎臓障害」は尿蛋白や腎形態異常を起こしている状態、腎機能低下は糸球体ろ過量60ml/min/1.73㎡未満の状態を指しています。
慢性腎臓病は高血圧や糖尿病、喫煙といった生活習慣と関係が深いため、進行を予防するにも食事管理や運動、禁煙などの生活習慣の改善をすることが大切です。早期発見早期治療にて、腎機能を改善できる可能性があります。

急性腎臓病

急性腎臓病は以前は急性腎不全と呼ばれていた病気で、腎機能が数時間~数日で急激に低下してしまう状態を指します。尿から老廃物を排出できなくなったり、体内の水分量や塩分量を調節できなくなったりします。
症状は尿量の減少、むくみ、全身の倦怠感、食欲低下など。これらは脱水や腎臓への血流低下、腎臓の炎症、尿細管細胞の障害により腎機能が低下することにあります。
急性腎臓病は慢性腎臓病とは違い、早急に原因を突き止めなければいけません。場合によっては救急医療が必要になることもあります。治療をすぐに開始し、透析などで体のバランスも整えます。治療による腎機能の回復は、疾患や合併症によって決まるため、治療をしても末期腎不全に移行する場合もあり注意が必要です。

急性腎臓病は、回復の可能性あり

慢性腎臓病と急性腎臓病を比べると、急性腎臓病の方が悪いように思いますが、急性腎臓病は適切な治療を行って原因を取り除けば腎臓機能が回復する可能性があります。多くの場合は入院をして腎臓機能を回復させる治療を行います。
一方で慢性腎不全は自覚症状がないまま腎機能が悪化するため、失われた腎機能が回復する可能性がほとんどありません。このため入院治療ではなく通院治療にて、現状維持や悪化を防ぐ治療を行います。
どちらも同じ腎臓病ですが、本当に怖いのはゆっくりと腎機能が悪化していく慢性腎臓病の方だということを覚えておきましょう。

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