原因は?症状は?慢性腎臓病を知る
慢性腎臓病の原因となる疾患や生活習慣について。慢性腎臓病の基礎知識をまとめてみました。
【慢性腎臓病を知る】原因・症状にまつわる8つのポイント
自覚症状がないため気づいた時には症状が悪化していることが多い「慢性腎臓病」について、原因となる生活習慣や疾患を調べました。慢性腎臓病について知りたい方は参考にしてください。
その1 原因となる生活習慣
慢性腎臓病を防ぐためには日頃の生活習慣の見直しがまず大切です。当てはまる生活習慣はないか、普段の生活のなかで原因となるものがないか、知っておきましょう。例えば飲酒や喫煙、運動不足など、当てはまるものをチェックして見直していきましょう。
その2 原因となる疾患
慢性腎臓病の原因となりやすい3つの疾患があります。糖尿病の経過中に発生しやすい「糖尿病腎症」、膜性腎症、膜性増殖性糸球体腎炎などの胃炎が起こる「慢性糸球体腎炎」、高血圧が原因となり腎臓の血管が動脈硬化を起こす「腎硬化症」。ほかにも慢性腎盂腎炎やSLE腎炎も原因となりやすい疾患です。
その3 遺伝が原因の場合
慢性腎臓病の原因に、遺伝が関係している場合がります。例えば両方の腎臓にできた多発性嚢胞が大きくなるものを「多発性嚢胞腎」と呼ぶのですが、遺伝的な因子にも関わりがあります。遺伝子的な因子は取り除くのがなかなか難しいものなので、生活習慣の改善などできるところから始めましょう。
その4 発病予備軍の特徴
メタボリックシンドローム(メタボ)の方は慢性腎臓病になりやすいと言われています。メタボが「内臓脂肪型肥満」であり、さらに「高血糖」「高血圧」「脂質異常」といったことが腎臓の働きを低下させるためです。特に「内臓脂肪型肥満」は糖尿病性腎症の指標である蛋白尿が出やすいため、注意が必要です。
その5 気を付けたい初期症状
慢性腎臓病は初期では自覚症状がほとんどありません。患者自身も気づかないので、気づいた時にはもう一定レベルまで悪くなっていることがほとんどです。症状は現れにくいものですが、比較的気づきやすい症状を知っておくだけでも、「なんだかおかしいな」と気づけるチャンスがあります。
その6 病院での検査方法
慢性腎臓病を病気で検査する際には、「尿検査や血液検査、画像検査で腎障害と分かっている」か「糸球体ろ過量(GFR)が60mL/分/1.73m2未満」のどちらかに該当しているかどうかで判断されます。ほかにも血清クレアチニン値、年齢、性別で導くことも可能ですが、現在は推算糸球体濾過量(eGFR)による診断が一般的です。
その7 慢性腎臓病のステージ
慢性腎臓病の病期(ステージ)は、1~5まであります。慢性腎臓病は気づかないうちに進行してしまうのが恐ろしい病気なので、なるべく早い段階(ステージ1・2)で発見して治療を開始することが大切です。ステージ5になるとほとんど腎臓が機能しておらず、透析療法や腎移植でしか対応できなくなります。
その8 急性腎臓病との違い
慢性腎臓病と急性腎臓病の違いは、治療における回復力です。急性腎臓病は適切な治療さえして原因を取り除けば腎臓機能が回復する可能性もあります。一方で慢性腎臓病は自覚症状がないまま進行するため、発覚した時点で現状維持や悪化を防ぐための治療を行います。
【早期発見のススメ】慢性腎臓病セルフチェック
慢性腎臓病は自覚症状が出にくいため気づきにくいものですが、早期発見すれば治療を受けやすくなります。病院でチェックしてもらうよりも、まずはセルフチェックで調べておきましょう。当てはまる答えをチェックして、腎臓のトラブル度を把握しておくと、今の体の状態を認識することができます。