知って欲しい、慢性腎臓病(CKD)の原因・症状・予防方法

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その7 慢性腎臓病のステージ

慢性腎臓病の病期(ステージ)について。進行によって決まるステージ1~5まで、どのような特徴と治療法があるのかを紹介します。慢性腎臓病の病期(ステージ)について。進行によって決まるステージ1~5まで、どのような特徴と治療法があるのかを紹介します。

慢性腎臓病の病期(ステージ)を進行順に解説

慢性腎臓病は気づかないうちに進行してしまうため、気づいた時点で進行を抑え、脳・心血管疾患や末期腎不全を防ぐ治療を行います。末期腎不全では腎臓機能が失われるため、腎臓機能を代行する治療が必要となります。進行して高血圧症が悪化すると、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞、脳出血など命の危険がある病気が発症しやすくなります。早い病期(ステージ)のうちに発見をして治療をすることが大切です。

ステージ別の慢性腎臓病の特徴

ステージ1・2の症状
「腎臓障害はあるものの働きは正常~軽度の機能低下」のため、自覚症状がほとんどない段階です。多くは健康診断で発見されます。治療法 危険因子を減らす健康管理が基本です。エネルギー制限や塩分(食塩)制限、たんぱく質制限を行います。食事療法だけでは改善が難しい場合は、血圧管理の薬や脂質管理の薬など、薬物療法も行われます。

ステージ3の症状
腎臓機能が健康な時の半分近くまで低下している状態で、専門医による本格的な治療が必要となります。自覚症状としてむくみや疲れ、尿異常などが現れます。治療法 ステージ1・2の治療と同様に、エネルギーや塩分、たんぱく質の制限を行いますが、さらにカリウムの制限が加わります。ステージ3になるとカリウムを排出しにくくなり、血液中のカリウム濃度が高くなってしまうからです。食事ではカリウムを多く含む食品を取るようにします。

ステージ4の症状
腎臓機能が健康な時の30%以下まで低下している常置です。むくみや疲れのほか、高血圧や貧血といった症状も現れます。機能は回復させることができない錠です。治療法 治療は現状維持をして透析治療開始を遅らせることを目的とします。生活習慣の改善や薬物治療、厳格な食事療法などを行います。尿毒症や脳・心血管疾患、高血圧などにも気を付けます。

ステージ5の症状
腎臓機能が極度に低下している状態です。ほとんど機能しない状態を「末期腎不全」と呼び、腎代替療法が必要になります。治療法 腎代替療法を行います。腎代替療法には「透析療法」と「腎移植」があります。透析療法は人工腎臓を利用する「血液透析」と、自分の腹膜を利用する「腹膜透析」があります。腎移植は家族などから腎臓提供を受ける「生体腎移植」と亡くなった人から提供を受ける「献腎移植」があります。

健康診断でどの項目を見れば腎臓のことがわかるのか

腎臓病とは、その名の通り腎臓に何らかの機能障害が発生する病気のことです。例えば、腎臓に送られた血液は、老廃物とともに尿として排出されるのですが、腎臓の機能が弱まっている場合にはこれがうまく行えないケースがあります。

つまり、老廃物を尿に運ぶことができず、体内にとどまらせてしまうということですね。老廃物は体にとって良いものではないので、このような状態が続いた場合には様々なトラブルの原因になります。

代表的な症状は次の通りです。

具体的にどのような老廃物が残っているのかによっても現れる症状は異なります。自覚症状が現れるのが遅く、発見が遅れてしまうこともあるのですが、健康診断も腎臓の状態を把握する1つのポイントです。

健康診断を受けることで腎臓の異常にもいち早く気づきやすいといえるでしょう。結果の中でも特に尿たんぱくと、クレアチニンの2つに注目してみてください。

これらの数値によって現在腎臓がどのような状態になっているのか、ある程度予想ができます。

尿たんぱく

尿たんぱくとは、尿の中にたんぱくがまざっている状態のことです。これは、正常な状態とはいえません。

もしも健康診断の結果で尿たんぱくの数値が高かった場合、尿の中に出てはいけないはずのたんぱくが漏れ出していることを意味しているわけです。実際に腎臓病に関する診察では、尿検査が行われ、高い数値でたんぱくが確認された場合には慢性腎臓病である可能性が高くなってしまいます。

しかし、発熱後や運動後の採尿で尿たんぱくが検出されるケースもあるため、一度だけ尿検査を行なっただけで正確な数字が出るわけではありません。そのため、腎臓の詳しい機能を勝訴するために蓄尿検査と呼ばれるものが行われることもあります。

薬局で尿たんぱくが確認できる検尿テープも販売されているので、気になる場合はそういったものも取り入れてチェックしてみるのも良いですね。

クレアチニン

こちらも非常に重要な項目です。筋肉を動かす際に使われるアミノ酸の一種に「クレアチン」というものがあります。これを使った後に出る老廃物の一つがクレアチニンです。

老廃物ということは体にとって不要なものなので、体内に排出しなければなりません。ここでも尿が重要な役割を持っており、クレアチニンは腎臓でろ過されて尿として排出されることになるのです。

しかし、先述しているように腎臓病になってしまうとこのろ過機能に障害が出てしまい、うまくろ過ができなくなってしまいます。腎臓でろ過される量が低下すると血液中のクレアチニン濃度が上昇するため、健康診断の結果で高いクレアチニンが検出された場合には尿たんぱくと同じく腎臓に何らかの問題があると判断できるでしょう。

結果からわかる腎臓の状態

尿たんぱくとクレアチニンが確認された場合、体の中は次のような状態になっていると予想できます。

尿たんぱくの数値が高い場合

本来であれば出てきてはいけないたんぱくが尿に漏れ出している大きな原因は、腎臓が傷ついているということ。腎臓の中には血液のフィルターの役割を果たしている糸球体というものがあります。しかし、健康診断の結果で尿たんぱくの項目が陽性になっていた場合、糸球体が傷ついていることを意味しているのです。

傷ついたフィルターではうまく血液をろ過することができず、漏れ出してはいけないたんぱくが漏れてしまいます。陽性の度合が大きいほど糸球体が傷ついているとも判断できるので、この数値は必ず確認しておきたいですね。

尿たんぱくが出ている場合は、少なからず腎臓の機能が衰えている可能性が高いため、慢性腎臓病になる前に発見ができれば、慢性腎臓病の予防にもつながります。

早期発見のためにできる限り尿たんぱくの検査を受けるように推奨している自治体などもあるので、健康診断の結果についてはよく確認しておきましょう。

クレアチニンの数値が高い場合

こちらも尿たんぱくと同じく、数値が高ければ高いほど腎臓の機能に問題があると判断できます。

ただ、確かに腎臓機能に問題があると血液中にクレアチニンがたまりやすくはなるものの、初期の腎臓病の場合はそれほど高い数値がみられないことも。1つの基準として、正常値は男性1.2mg/dl以下、女性1.0mg/dl以下となっているので、健康診断の結果を参考にしてみてくださいね。

もしも血清クレアチニンの数値が8.0mg/dl以上になった場合、個人差もあるものの透析導入について検討していかなければなりません。

慢性腎臓病は初期の段階ではなかなか自覚症状がないので注意が必要になってきます。そのため、健康診断の結果などをもとに疑っていくしかないのです。

気になることがあれば更に詳細な検査を受けることも可能となっているので、検査結果をよく確認し、気になるものがあれば再検査を受けるなどの対策が必要になります。

参考:一般社団法人 全国腎臓病協議会:検査方法について

eGFRについて知る

eGFRとは、日本語にすると推算糸球体濾過量のこと。腎臓の働きを数値に表したものともいえるでしょう。eGFRの数値が低ければ低いほど、老廃物を尿に排出する力が弱まっていると判断できます。

計算方法はなかなか難しいのですが、インターネット上で年齢と性別、健康診断の結果で出た血清クレアチニン値を入力することによって自動で計算できるツールもあるので、そういったものを役立ててみてくださいね。

また、健康診断で直接eGFRが書かれている場合もあります。その結果として出た数字によって、現在の腎臓の状態が把握できるので、次のものを参考にしてみてください。

もしも末期腎不全の状態になってしまった場合は、すぐにでも医療機関を受診し、適切な治療を受けなければなりません。このレベルになると合併症を引き起こしているケースがほとんどとなるため、専門機関で集中的な治療を受けることになります。

場合によっては腎臓移植についても検討しなければなりません。

いずれの場合も専門的なことになってくるので、医療機関で診察を受け、数値改善のために適切な対応をとるようにしたいですね。

参考: 一般社団法人 全国腎臓病協議会:診断基準について

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