知って欲しい、慢性腎臓病(CKD)の原因・症状・予防方法

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その5 気を付けたい初期症状

慢性腎臓病ではどのような初期症状が現れるのか。むくみや倦怠感、貧血、血尿など、症状を紹介します。慢性腎臓病ではどのような初期症状が現れるのか。むくみや倦怠感、貧血、血尿など、症状を紹介します。

慢性腎臓病の初期症状

慢性腎臓病の怖いところは、初期では自覚症状がほとんどないことです。そのため患者自身も気づかないまま進行しやすく、一定レベルまで悪くなってしまうと自然に治ることはありません。症状が現れにくい病気ですが、比較的気づきやすい症状もあるので、気になった時は医師に相談してみると早く気づくことができます。では慢性腎臓病はどんな初期症状があるのかを紹介します。

初期症状の種類

むくみ 脚や手、顔がパンパンにむくみ、靴や指輪がきつくなってくる

初期症状で考えられるのが、むくみです。むくみが生じると、体重の2〜3kgは増加をしてしまいます。これは、体内の水分が余分にたまっている状態で排泄されないのが原因です。
似たような症状では、ネフローゼ症候群でもむくみが生じるので、どちらが慢性腎臓病のむくみか分かりません。場合によっては、ネフローゼ症候群を発症したあとに慢性腎臓病を引き起こす場合もあるので、どちらが原因か? ということは素人目で見分けることは難しいと言えます。
しかし慢性腎臓病が原因のむくみでは、次のような点に注意をしながらチェックをすれば、この病気が原因の浮腫みであることが分かります。むくんでいる部分を指で10秒程度強く押さえてみましょう。むくんでいれば、へこみます。また、症状がひどくなるとくるぶしの部分のむくみがひどくなるので、併せてチェックしましょう。特に、くるぶしのむくみがひどくなると、全身にむくみが広がっている状態になり、ひどい場合では肺に水が溜まっている場合があります。この状態になると、緊急手術が必要になるので注意が必要です。
また、むくみがどのタイミングで起きているのか? ということにも注目する必要があります。
むくみは飲酒をした状態や寝不足の状態でも発生するものですが、起床時にまぶたがむくんでしまう症状が毎日続いているのであれば注意が必要です。むくんでいる状態が続いているということは、腎臓が正しく機能していない証拠なので、自覚症状がなくても慢性腎臓病の可能性があると思いましょう。

貧血 貧血や立ちくらみがたびたび起こる

腎臓機能が低下すると、立ちくらみ、息切れ、めまい、といった症状が現れます。
これは、腎臓が様々なホルモンを分泌しそのひとつに赤血球を作る働きを促進するエリスロポエチンの分泌が減少して、赤血球の産生能力が低下するのが原因にあげられます。
これが、慢性腎臓病の人における貧血ですが中々気づかないケースが多くあります。
女性であれば、貧血が起きやすいので検査をすることでわかるかもしれませんが、男性はそうではありません。ただの貧血なのか? あるいは慢性腎臓病から来ている貧血なのか? ということが分からなければ、血液検査をしっかり受けましょう。
この時注目するのが、血液検査のヘモグロビン(Hb)濃度です。慢性腎臓病患者の場合、Hb濃度が11.0g/dl未満になっている状態が多いと言われています。そのため、濃度が11.0を下回っているようであれば、腎臓病からくる貧血だと思いましょう。この時は、鉄剤や赤血球造血刺激因子製剤による適切な治療を受けることになるので、すぐに相談するようにしましょう。

倦怠感 体が疲れやすく、いつもだるい感じがする

倦怠感や体がだるい感じがするのは、腎不全の末期でよく見られる症状。腎不全によって尿毒症物質が蓄積したことによって起きる症状です。そのため、だるさが出現している場合は特に注意をしましょう。そのほとんどが、末期の腎臓病の症状だからです。もちろん、体液が過剰になったり、電解質異常など様々な要因でだるさというものは出現します。
しかし、腎臓病でもだるさは症状として現れるのでむくみや貧血と合わせてだるさがあるなら慢性腎臓病の重症だと思いましょう。

息切れ 少し早歩きするだけでも息が切れる

腎臓病の貧血では、息切れも現れます。ただ立ちくらみがするだけではなく少し動いただけなのに息切れが起きてしまう場合は、慢性腎臓病から来ている可能性が十分にあるので、気をつけましょう。

夜間尿 夜間になると何度もトイレに起きてしまう

腎臓が悪くなると、尿の回数が減る、透明なものになると思われることが多いですが実はこれらは間違った情報です。腎臓は血中の物質を尿へ排出し必要な水分を血中に戻します。これを尿濃縮能と呼びます。これは、腎臓が正常な時にこの働きが起きるのですが、もし低下していると逆にこの働きが起きません。その結果血中に水分を戻す働きが衰えるため尿の回数が増えてしまいます。しかも、夜に回数が増えてしまいます。これは、腎臓が夜間に尿を濃縮する作業を行うのですが、全く機能しないので結果として夜間の尿は頻繁になります。
また、それだけではなく夜間に体内に蓄積したナトリウムを放出するように体が作用するので、結果として尿の回数が増えます。
具体的な尿の回数は、1日のうちに8〜10回以上、夜間2回以上トイレが原因で起きてしまう状態です。もし、この程度の回数トイレに行きたくなるようであれば、初期の腎臓病を疑うと良いです。

血尿・蛋白尿 尿に血が混じっている、尿が泡立つ、赤褐色調になる

尿の色が異常に濃いものが出ている場合は、腎機能がきちんと働いておらず、赤血球がそのまま尿として出てしまう可能性があります。毎回尿が泡立っていたり、コーラの色やワインのような赤茶色の場合は要注意。たまに起きる症状であれば特にそこまで注意をする必要はありません。しかし、これが毎回続いてしまうと正常に腎臓が機能していない証拠なので気をつけましょう。サプリメントを摂取することで尿の色が変わることもあるので、まずは観察です。どんな時に尿の色が変わってしまうのか? ということに注意をしてください。
尿の色が変わる=初期の慢性腎臓病である可能性が高いと言えます。

かゆみが現れている

腎臓病を患っていると、体内に老廃物が溜まっていく状態になるので自然と皮膚がかゆくなってしまうことがあります。あまりにも体中がかゆいと感じるのであれば、慢性腎臓病の可能性も疑いましょう。腎臓が悪い人は、肌が乾燥しがちです。肌が乾燥している状態はかゆみにつながるので、保湿対策をしっかりしましょう。また、かゆみで気になっている人がいれば、保湿をなるべく心がけましょう。塗り薬を塗っても改善されない場合が腎臓病の肌のかゆみではあるので、その点にも注意しながら肌をじっくり観察しましょう。

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初期症状段階での予防方法は

もし、体に初期症状が現れて腎臓病かもしれないと思ったら真っ先にやるべき対策がいくつかあります。ここでは、自分で出来る対策方法について紹介していきましょう。

1、体の変化をしっかり観察する

予防する上で重要なのが、自分の体に異変が起きていることを察知することです。
特に腎臓病の場合は初期症状が無い場合も多く、注意していなければ初期症状ですら見落としてしまう場合があります。初期症状を見つけることができれば、治療で改善することが可能ですが、放置した状態で末期の腎臓病の場合は手に負えません。そのため重要なのが自分の体をじっくり観察することです。特に、尿の色や尿の回数、体のむくみなど目に見えるものには特に目を向けて異常を発見するようにしましょう。

2、食事方法を見直す

腎機能が低下してしまうと、体に異常が起こります。ひどい場合は不整脈や心不全といった死に直結する病気にかかってしまう可能性があります。しかも、厄介なのは腎臓病にかかると完治することが難しいということです。進行を遅らせることが可能でも症状を完全に治すということは不可能に近いと言えます。しかし、そのまま放置していると最終的には透析をしないと生きることが難しくなるので、真っ先に見直しましょう。
真っ先に見直さなければいけないのが、たんぱく質や塩分の多い食事をやめることです。
これを制限することで症状を和らげることができます。また、カリウムが含まれるものを多く摂取するのも注意が必要です。どのような食事方法が良いかは専門医に相談しましょう。もちろん、初期の症状では摂取する量を抑える程度で問題ないので、自分の症状の段階も把握しておくようにしましょう。

2、適度な運動を行う

腎臓病を患っていると、運動をすることで逆効果では? 全く運動しない方が効果的なのでは? と思う人がいるかもしれませんが実際にはそうではありません。
患っている人でも、腎臓に負担をしない程度の範囲で運動をした方が良いとされています。
このことから、適度な運動を行いましょう。30分程度のウォーキングでも構いません。
また、初期症状の人や腎臓病が心配される人は適度な運動を行いましょう。ランニングやウォーキングを定期的に行うことで腎臓病のリスクを回避することができます。
過度に体を追い込むようなエクササイズではなく、持続可能な運動がオススメです。
継続的にやらないと効果がないので、その点を意識して運動をする習慣を取り入れましょう。
もし、取り入れることが難しいのであれば、通勤時の徒歩の距離を多くするといった工夫をすることでカバーが可能です。
このように、予防方法では適度な運動や、栄養管理をした食事、観察が重要です。
特に、食事では段階によって制限方法が異なってくるので不安な人は一度医師に相談することをオススメします。ちょっとでもおかしいと感じることがあれば、腎臓病かもしれない? と想うだけではなく検査をして安心するようにしましょう。早期発見が大切です。

「むくみ」「血尿」は比較的気づきやすい

初期症状が自覚しにくい慢性腎臓病ですが、その中でもむくみと血尿は気づきやすい症状なので見落とさないようにしましょう。腎臓の糸球体に障害が起きると血液を上手くろ過することができず、本来体外へ排出される老廃物や余分な水分、塩分がそのまま体に残ってしまいがちになります。体の中に残る水分や塩分によってむくみが起こりやすくなるのです。また血尿は尿が赤褐色調になっているかどうかでも確認することができます。眼で見て分かる状態は「肉眼的血尿」、顕微鏡で見て分かる状態は「微小血尿」と言われています。「尿が少し赤っぽい」「尿が泡立っている」と、少しでも不安を感じた時は、医師に相談をしてみましょう。

尿蛋白が出たら「ネフローゼ症候群」に要注意

腎臓に疾患がある場合に起こる症状に「ネフローゼ症候群」があります。ネフローゼ症候群は尿に蛋白が出てしまうことで血液中の蛋白が減り、その結果むくみが起こる疾患です。進行するとお腹や心臓、肺、陰嚢にも水がたまってしまいます。むくみをコントロールするため塩分制限や利尿薬などを使い、ステロイド薬などで原因治療を行っていきます。

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