知って欲しい、慢性腎臓病(CKD)の原因・症状・予防方法

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糖尿病腎症

糖尿病腎症ではどんな症状が現れるのか、症状や原因、慢性腎臓病との結びつきなどを調べました。

そもそも慢性腎臓病とは?

慢性腎臓病とは、身体に毒素を排出する機能や血液や血圧の調整・体液の調整・骨の形成を調整するなど身体の重要な部分の調整を行う臓器です。

この臓器が異常をきたすと、身体の毒素や血圧・血液、体液の調整、骨を上手く形成できなくなってしまうので、・高血圧・糖尿病・脂質異常症・高尿酸血症・貧血・骨ミネラル代謝異常・代謝性アシドーシス・高カリウム血症・尿毒症などさらなる合併症を引き起こします、とくに脳卒中や心不全になってしまう可能性が非常に高くなり、状態が酷くなると生きている間、透析治療を行うことになってしまいます。

このような状態になってしまうことを慢性腎臓病と呼びます。

糖尿病腎症とは?

糖尿病腎症は糖尿病の合併症で、尿を作っている腎臓の「糸球体」の毛細血管が悪くなることで、だんだんと尿が作れなくなる疾患です。尿が作れないためひどくなると機械で血液の不要な成分をろ過して尿を作る「人工透析」を行わなければいけなくなります。
現在人工透析になる原因の1位と言われています。人工透析になると週2~3回、病院で透析を受けなくてはいけなくなり、日常生活に大きな影響を与えます。

糖尿病腎症の症状

第1期(腎症前期)では自覚症状がなく、第2期(早期腎症)になると尿中にアルブミンというたんぱく質が検出されます。
第3期(顕性腎症)では腎機能の低下が見られ、第4期(腎不全期)では老廃物が血液中にたまってしまい尿毒症の症状が出てきます。この期になると低血糖を起こしやすくなります。
第5期(透析療法期)になると腎臓の機能はほぼなくなり、慢性透析療法が導入されます。この時点で5年後の生存率は約50%になると言われています。治療は人工透析を週に3回が一般的です。それでも症状が改善しないようなら、腎移植や膵腎移植を選ぶこともできます。

糖尿病腎症の原因

糖尿病で血糖値が高い状態が続くと、全身の動脈硬化が進み、腎臓の糸球体でも血管が壊れてしまい、網の目が詰まったり破けたりすることで老廃物をろ過できなくなることが原因だとされています。

糖尿病性腎症への移行の原因

糖尿病性腎症を含む、慢性腎臓病になってしまう原因ですが、「食事」というのが主な原因とされています。

暴飲暴食によるカロリーオーバーを毎日のように繰り返していると、身体に糖質が溜まりすぎて腎臓で調整していた、糖質のバランスが崩れはじめます。すると腎臓の調整機能はじめ、腎臓に負担がかかりやがて糖尿病性腎症と言われる症状に移行してしまうのです。

この他にも高血圧などの症状も見られ、一般的にメタボリック症候群と呼ばれている方たちはこの糖尿病性腎症になる可能性が高いとされています。

また過度な飲酒や喫煙も、何気ないカロリーオーバーや腎臓に過度な刺激を与えることに繋がるので注意が必要です。

毎日の食事は注意して摂取

糖尿病性腎症にならないためには毎日摂取する食事に対して、常に気を配らなければいけません。

1日の摂取カロリーの目安として、男性は2500Kcal、女性は2000Kcalとされているのでこれを厳守していきます。

しかしそれだけではこの範囲内で何を食べても良いということになってしまうので、そこは注意が必要です。

1.炭水化物

まず日本人にとって最も大切なお米に含まれているのが炭水化物。

最近では、糖質制限でお米を食べない人が急増していると言われていますが、この流れはあながち間違っていなく、お米には糖質が多く含まれます。

そのことから、カロリーの範囲内だからといって1日の摂取量でお米の割合が多くなってしまうと糖質過多により、糖尿病へと移行してしまう可能性が上がります。しかしそのことを気にしすぎて摂取量を減らしすぎてしまうと、身体のエネルギー源がなくなり、体力の低下や腎臓に負担をかけることになるので、適度な摂取を心がけるようにしましょう。

2.タンパク質

タンパク質は体内の内臓や筋肉を形成する上で必要なものです。そのことから内臓の一部である腎臓にも良いものとされています。

しかしこちらも摂取し過ぎには注意が必要です。タンパク質も摂取しすぎてしまうと、身体は分解し切れません。するとその分を全て老廃物に変えて、体外に排出しなければならないので、余計な運動をさせられた腎臓に余計な負荷をかけることに繋がります。また量が多すぎて排出し切れなくなってしまうと、尿路結石の原因となり尿道を傷つけてしまいます。

3.脂質

肉や油から摂取できるもので多くの人が知っているとおり、カロリーが高い物なので摂取しすぎると、カロリーオーバーをしてしまいます。そのことからなるべく摂取するのを避けてしまいがちですが、それもバランスが悪い食事になってしまう原因です。脂質は身体のエネルギー源となり、細胞の形成を促します。脂質がない状態では、身体の体力は落ち、細胞形成が難しくなってしまうので結果的に腎臓の機能を弱めることに繋がります。

4.ミネラル

糖尿病性腎症になってしまうということは、既に慢性肝臓病になっていることになるので、ミネラルの制限は絶対に守らなくてはなりません。

しかしミネラルを「摂らない」というのは意味合いが違います。慢性腎臓病の大敵・塩分以外にもマグネシウムやカルシウム、リンなどの成分が一括りになっています。塩というのは腎臓に負担をかけるので過度な摂取はできないですが、一日のあたり6gを摂取すれば人間は生きている厚生労働が基準で定めているので、6g以下をしっかり守り、あとは骨を形成するのに必要なカルシウムやマグネシウム、貧血予防にもなる鉄を過度にならない程度に摂取して生きましょう。

ただし、リンに関しては規定量以上摂取してしまうと高カリウム血症を引き起こし不整脈からの心筋梗塞や脳梗塞を引き起こし死亡してしまう原因となるので成分表を確認して1500mg〜2000mgを厳守するようにしてください。

運動の重要性

糖尿病性腎症になってしまう人というのは、メタボリックシンドロームになってしまっている人が多く平均体重に戻す必要があります。そのためには体重を落とす目的で、運動をして行く必要があります。

あくまで体重を落とす目的なので筋トレで身体を鍛えるというよりも、有酸素運動が効果的です。ハードに身体を動かすというよりも、ジョギングや水泳など身体に無理がない程度に自分のペースで休みながら行う程度で大丈夫です。しかし運動をする習慣がない人は長続きしない可能性が高いので、いつも使っていたエレベーターから階段に変えて移動することや、自動車などで楽をして移動していた家までの道のりを徒歩に変えるなど、極力運動をする方向に持っていきます。体重を減少させるには毎日コツコツと続けることが大事なので、そのことを意識していきましょう。

糖尿病腎症の治療

治療は進行状態によって変わります。第2~3期では低カロリー食や運動療法による厳格な血糖コントロールが行われます。第4期になると低たんぱく食を行い、血液中のクレアチニンの量の増え方次第で透析療法を開始します。

食事療法

糖尿病腎症方をはじめ、慢性腎臓病の保存療法として用いられるのが食事制限。慢性腎臓病にはこまめな食事管理を徹底していくことが重要なのです。

慢性腎臓病にはステージがあり、G1・G2・G3a・G3b・G4・G5というように6段階に分けられ、数字が大きくなるに連れて重症度が大きくなります。G1・G2という段階ではまだ改善の余地がありますが、G3aまで進行しているのが慢性型腎臓病です。これがG5まで進行していると方というのが、腎臓がほとんど機能していないと透析患者となりますが、G3a以上の腎臓病になっているということは処理能力も衰え、老廃物を体外に排出することが難しくなるので、腎臓の衰えをカバーするために余分な塩分を摂取しないようにします。

その摂取量というのが1日合計6g未満で、さらにステージG4・G5の方で身体のむくみが酷い方はさらに塩分を減らして一日5g未満。

タンパク質の過剰摂取も尿素窒素を増加させることになるので自分のBMIに合った体重から0.6g〜1.0gを割った摂取量が厳守となり、そのために肉や魚などのタンパク質が多いものにも摂取制限がかかります。

また高カリウム血症になってしまう可能性も高いのでカリウムも制限しなくてはなりません。カリウムを多く含む、果物や野菜を食べるには、カリウム1500mg〜2000mgという摂取制限を厳守します。

参考文献

運動療法

一昔前までは慢性腎臓病になってしまったら、安静にしていた方が症状は悪化しないとされていましたが、現在はその治療方針はなくなりつつあります。

慢性腎臓病には運動することが保存療法として良いという流れに変わってきたのです。一昔前は運動をすることで尿タンパクが増加し、腎臓の機能を弱めてしまうという考えがなされていました。しかしその意見に反して、運動することで腎臓機能が低下することを防ぎ、ステージの悪化も防止できるという見解がなされました。たとえ慢性腎臓病になったとしても通常の生活に近づけた方が身体は弱りにくくなります。そのためには一定の体力を維持しなくてはなりません。

慢性腎臓病との関係性

糖尿病の治療をしないまま高血糖状態が続くと、腎臓の血管内でも動脈硬化が起こります。その結果、血液をろ過する機能をもつ腎臓の血管「糸球体」にも動脈硬化が起こり、ろ過する能力が低下。最終的に腎機能が悪化をして尿を作ることができなくなります。
糖尿病性腎症は慢性腎臓病の一つであり、腎臓機能の低下により引き起こされます。

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