知って欲しい、慢性腎臓病(CKD)の原因・症状・予防方法

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その6 病院での検査方法

慢性腎臓病の検査とは?推算糸球体ろ過量(eGFR)による診断についても紹介します。

慢性腎臓病の検査方法とは?

慢性腎臓病を診断する基準は次の2つのどれかに当てはまることと、療法が3ヶ月以上継続していることで判断されます。

腎障害を検査する方法は主に4つあり、詳細は次のようになります。

尿検査

尿検査では、尿の中にたんぱく質や血液などが漏出していないかを確認します。病院で行う場合、検出用テープ、試薬、遠心分離器などを利用して検査しますが、腎障害の診断以外にも、糖、比重、pH、腫瘍、細菌、白血球なども調べることができます。測定キットや検尿テープを利用すれば自宅でも検査できるため、たんぱく尿の方はご家庭での検査をおすすめします。ただし、運動後や発熱中はたんぱく質や血液が漏出しやすくなるため、複数回の検査を行うと正確です。

血液検査

血液検査は一般的な検査方法で、数値によって腎臓の働きを調べるものです。最も重視される数値は「血清クレアチニン値」で、この数値が8.0mg/dl以上になった場合、透析による治療を行う可能性があります。クレアチニンは腎臓の働きが弱くなると尿として排出されなくなるため、血液中に蓄積される物質です。血清クレアチニン値は腎臓の働きを知るためには有効な数値ですが、初期腎臓病では診断方法として使えないこともあります。

画像診断

画像診断とは、腎臓を撮影して画像にし、目視によって形や大きさ、合併症について診断する検査方法です。超音波検査、腹部CT、腹部単純撮影、経静脈性腎盂造影、アイソトープ検査、腎血管造影法の6つがよく用いられます。この中でも最もよく利用されるのが超音波検査で、体の表面に超音波を当てることによって腎臓の断面画像が得られます。痛みもなく放射線も使いませんが、確定診断が難しいため、腹部CTによってより詳細な診断が行われることもあるでしょう。

腎生検

腎生検とは、腎臓の一部分を採取して、電子顕微鏡によって詳しい病変を検査する方法です。この検査は明らかに腎機能に障害が発生している場合に、適切な治療方法や病状の詳細、病変の位置などを確認する場合に用います。つまり、他の検査で慢性腎臓病の診断を行った後の、最終的な検査ということになるでしょう。腎臓の採取は、うつ伏せの状態で背中から針を入れ、ごく少量の組織を採取するだけなので、痛みが少なく安全性も高い検査方法です。

まとめ

慢性腎臓病を診断する方法はこれらの4つがメインとなっていますが、初期に行われる最も基本的な検査方法は、尿検査と血液検査です。それらの検査結果が思わしくなければ、段階を踏んで次の検査に進みます。

推算糸球体ろ過量(eGFR)とは

「推算糸球体ろ過量(eGFR)」とは、血液をろ過している「糸球体」という部分の推定ろ過量のことで、腎臓の機能を知るための値とされています。糸球体は腎臓の中にあり、血液からクレアチニンをろ過して尿を作り出しています。ですが、腎臓の機能が低下してくるとクレアチニンをろ過する量は少なくなっていき、体内にクレアチニンが蓄積されます。そのため、体内のクレアチニン増加量からろ過量を求めることができますが、クレアチニンは筋肉量によって出る量が変化します。そこで、筋肉量や年齢、性別などを考慮せず、推定のクレアチニンろ過量を検査する「推算糸球体ろ過量(eGFR)」という検査方法が利用されています。

慢性腎臓病(CKD)の重症度分類

腎臓機能区分 腎臓機能 腎臓の働き ステージの特徴
01(eGFR値90以上) 正常/高値 良好 ・尿検査異常が現れていない場合
慢性腎臓病ではありません。ただし、肥満や喫煙、家族に腎臓病の方がいる場合は注意が必要です。更に、50歳以上になると腎機能は低下してきます。
・尿検査異常が継続している場合
初期の慢性腎臓病の疑いがあるため、医療機関を受診しましょう。ただし初期段階なので、生活習慣の改善や治療で十分に良い状態を維持できるでしょう。
・尿検査異常が現れていない場合
1年に1~2回程度の検査を受けましょう。血液検査と尿検査を受ければ、慢性腎臓病を早期に発見できます。
・尿検査異常が継続している場合
まずは医療機関の受診が必要ですが、特にたんぱく尿2+以上であれば、腎臓専門の医師に相談するべきです。禁煙、肥満解消など生活習慣を改善し、適切な治療を受けてください。
02(eGFR値60~89) 正常/軽度低下 弱り気味 ・尿検査異常が現れていない場合
慢性腎臓病ではないと考えられますが、腎臓の機能は低下してきています。自覚症状は現れない段階ですが、生活習慣の改善が必要でしょう。
・尿検査異常が現れていない場合
1年に1~2回の検査を受けて慢性腎臓病の早期発見に努めてください。また、生活習慣や食生活の改善、禁煙などをしましょう。
・尿検査異常が継続している場合
初期の慢性腎臓病が疑われます。たんぱく尿2+以上で血尿も陽性であれば、腎臓専門の医師に相談するべきです。この段階では、生活習慣の改善で腎機能が回復する可能性もあります。
・尿検査異常が継続している場合
生活習慣と食生活の改善、禁煙、肥満解消に加え、腎機能が低下している原因を調査し、治療を受けるようにしてください。
03(eGFR値30~59) 軽度~高度低下 低下 慢性腎不全の可能性が高いと考えられます。腎臓の機能が低下しているため、尿異常、むくみ、貧血などの自覚症状が現れてくる段階です。将来的な治療のためにも、この段階で適切な治療をして症状を軽減することが鍵となります。 腎臓専門の医師への受診が必要です。もしも、高血圧や糖尿病、脂質異常症があればそれらの治療を行い、禁煙、肥満解消を実践しましょう。腎機能が低下したことによって、骨やミネラル代謝の異常がないか検査してください。
04(eGFR値15~29) 高度低下 危険 慢性腎臓病が進行している段階です。頭痛、吐き気、尿量減少、むくみ、貧血などの自覚症状が重くなってきます。このステージでは、腎機能回復は望めません。 腎機能回復は望めないため、現状を維持させるための治療に専念します。食生活では蛋白摂取制限が必要です。
05(eGFR値15) 末期腎不全 機能異常 慢性腎臓病が最終段階まで悪化した状態で、腎臓の機能はほとんど残っていません。透析や移植の検討、専門治療、食事管理、合併症対策が行われます。 透析治療では血液透析か腹膜透析が行われます。万が一、尿毒症が起こっていれば、透析を導入するか移植をしなければなりません。

推算糸球体ろ過量(eGFR)による診断

血清クレアチニン値、年齢、性別からおおよその糸球体ろ過量(GFR)を調べる、「推算糸球体ろ過量(eGFR)」の計算からも慢性腎臓病を診断することができます。推算糸球体ろ過量(eGFR)は、腎臓にどれだけ老廃物を尿へ排出する能力があるかを知ることができるもので、数値が低いほど腎臓機能が弱まっています。「直接腎臓の数値(GFR)を測定すればいいのでは」と思う方もいるでしょうが、糸球体ろ過量(GFR)の検査はとても複雑で時間がかかります。そのため日常検査では、推算糸球体ろ過量(eGFR)を計算して、腎機能のスクリーニング検査として用いています。推算糸球体ろ過量(eGFR)の計算式は次の通りです。

推算糸球体ろ過量(eGFR)の計算式

※18歳以上が対象

推算糸球体ろ過量(eGFR)は計算式で容易に腎機能を評価することができますが、標準体型から外れている場合、正確に判断ができないこともあります。そのような場合は「eGFR×体表面積(体重kg)0.425×(身長cm)0.725×7184×10-6)÷1.73」にて再計算する場合があります。

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