食事制限時のポイント
慢性腎臓病の人が食事制限を続けていく中で、気を付けなければならない点やポイントをまとめてみました。食事療法が正しく行えているか、チェックしてみましょう。
栄養素別・摂取制限の確認方法
たんぱく質、エネルギー(カロリー)制限の確認方法
摂取カロリーと摂取蛋白量のバランスを適正に保つことがポイントです。体重や血清尿素窒素とクレアチニンの比率、畜尿検査を行い、摂取蛋白量を測ることで腎臓の機能をチェックしていきます。
- <体重の増減がない>
体重の減少が見られなければ、適正のカロリーを摂取できていることになります。ただし、浮腫みがある場合はそれも考慮してチェックする必要があります。 - <BUN/Crの比率が10倍未満である>
例えば、血清尿素窒素(BUN) 38 mg/dl、クレアチニン(Cr)4.3 mg/dlの比率で体重の減少がなければ、摂取カロリーと摂取蛋白のバランスが正しく取れていることになります。 - <畜尿検査において推定摂取蛋白量が適正である>
畜尿検査を行い、推定摂取蛋白量を計測します。
(体重x0.031+尿中尿素窒素)x6.25+尿蛋白量=推定摂取蛋白量
塩分制限の確認方法
体液量のチェックを行います。血清のナトリウム濃度は塩分の摂取が過剰になっていても正常範囲と出てしまうことが多く、判断基準になりません。実際に急な体重の増加がないか、血圧の上昇や浮腫みがないかなどを観察します。また、畜尿検査の塩分排出量から推定塩分摂取量を計算することも可能です。
- 推定塩分摂取量の出し方
尿中ナトリウム(mEq/日)÷17(g/mEq)=推定塩分摂取量
カリウム制限の確認方法
血清カリウムの値が指標となります。慢性腎臓病患者の場合、値がK5.5以上であれば過剰にカリウムが摂取されていると考えます。血清カリウムの濃度が1 mEq/L上昇した時の体内の余分なカリウム量は200~300 mEqとされています。
1日に尿中に排出されるカリウム量を2,000mgと推定し、カリウム摂取量を1,500mgに制限しても、0.5gしか減らすことができません。もし10g溜まっていたとしたら、20日ほど血清カリウム濃度を下げるのに時間がかかります。
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