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オルニチン

腎臓に良いとされるオルニチンとはどんな成分なのでしょうか?ここでは、オルニチンの作用やサプリメントの選び方について詳しくまとめました。

オルニチンの効果(尿素回路の改善)

オルニチンは、もともと私たちの体内にある「遊離アミノ酸」のひとつです。肝臓の尿素回路で活躍し、人体に有害なアンモニアを分解・解毒する役目を担っています。肝臓の働きをサポートしながら間接的に腎臓の負担を軽減してくれる効果がありますが、その他にもオルニチンは多くの健康効果が認められています。
具体的には、オルニチンサイクル(尿素回路)の活性化による腎臓・肝臓の機能向上、疲労回復、筋肉増強、免疫力向上、体力と持久力のアップ、二日酔いの改善などです。
また、最近の研究では新陳代謝の活性化によるアンチエイジング、ダイエット、美肌効果にも役立つことがわかりました。このように、多くの健康効果が証明されていることから、オルニチンは私たちの体になくてはならない栄養素であることは間違いありません。

そもそもオルニチンとは?

オルニチンの成分は「シジミ」に多く含まれていることは有名です。しかし最近の研究で、もっともオルニチンを豊富に含んでいるのは、本しめじやブナピーなどのキノコ類であることがわかりました。
食品100gに対して含まれるオルニチンの量は、シジミが20mgなのに対してぶなしめじが140mg、ブナピーが110mg、本しめじに関しては160mgも含まれています。この含有量は、シジミのおよそ400個分に相当します。
その他、チーズやパンなどにも含まれていますが、オルニチンの摂取目安量は1日400mg~1000mgとされているので、食事からすべてを補うのは難しいかもしれません。

オルニチンの働き

オルニチンが腎臓に対して有利に働くというのは、先にご紹介した通り、アンモニアを無毒化する作用があるためです。

アンモニアが体内に蓄積すると,非免疫学的に補体を活性化させることが知られている。活性化補体は尿細管上皮細胞を障害するので,アンモニアの供給源であるたんぱく質制限は CKD(病期3~5)への進行抑制をもたらすことが期待される。

出典:特定非営利活動法人 日本栄養改善学会『(PDF)慢性腎臓病(CKD)と栄養―慢性腎臓病(CKD)の最適治療になぜ食事療法が必要か―』

「CKD」とは慢性腎臓病のことです。このように、アンモニアが体内に蓄積してしまうと、その毒性によって尿細管上皮細胞に障害が発生し、慢性腎臓病が進行してしまうほどの悪影響を及ぼします。その点、オルニチンは、アンモニアを体内で無毒化し、尿素へと変換して体内に排出させる働きがあります。

L-オルニチンは有害なアンモニアを無毒な尿素に変換する尿素サイクルの代謝中間体であり,摂取吸収されたオルニチンは肝臓での尿素の生成に関与する.

出典:日本外科代謝栄養学会『(PDF)オルニチン』

オルニチンはアンモニアの体内蓄積を抑制し、腎臓への負担を軽減するため、腎機能低下防止に効果が期待できるとされているのです。

選び方のポイント

毎日オルニチンばかりを意識して食べるのは大変ですから、効果的にオルニチンを摂取したい場合はサプリメントが便利でしょう。サプリを選ぶポイントは、オルニチンとの相乗効果が期待できる成分を配合した商品を選ぶことです。アルギニンや亜鉛、DHAなど、様々な成分が配合された商品があるので、自分の健康促進に合ったものを選びましょう。

オルニチンに期待できるその他の効果

先にご紹介した効果以外にも、オルニチンには優れた働きがあるとされています。その一つが、傷を治すという効果であり、重篤な疾患を持った患者の「褥瘡(床ずれ)」の治療にも用いられているほどです[1]。

コラーゲンの合成を促進させる

オルニチンが褥瘡の治療に効果的だとされる理由は、新しい皮膚の生成に必要不可欠な「コラーゲン」の合成を促進させるからです。

体内にオルニチンが入ると、「プロリン」という物質に変換されますが、プロリンはコラーゲンの合成に必要な物質だとされています。この働きによって、創傷部の皮膚の生成を促進させ、褥瘡を軽減させていくのです。

細胞の成長を促進させる

オルニチンが褥瘡に効果的だとされる理由は、コラーゲンの生成促進効果だけではありません。オルニチンはプロリンへと変換されますが、同時に、「ポリアミン」という物質にも変換され、細胞の成長を促します。

ポリアミンという物質は細胞の成長因子であり、全身のどの細胞内でも作られる可能性がある物質です。細胞内で増えることにより、細胞分裂を盛んにするという働きがあるため、創傷部分で細胞分裂が促進されれば、その分傷の治癒も早くなるでしょう。

食べ物だったら何に含まれている?

オルニチンが多く含まれるのは、先にご紹介したように「しじみ」や「きのこ」なのですが、含有量を限定させなければ幅広い食品の中に含まれる成分です。

しじみ同様、魚介類の中にも比較的多く含まれており、愛媛県産業技術研究所の調査によると、タチウオ100g中に27mg、カミナリイカ100g中に42mgのオルニチンが含まれていると報告されています。

出典:愛媛県産業技術研究所『(PDF)愛媛県で水揚げされる魚介類の含窒素エキス成分量(第1報)』

オルニチンはこんな人にお勧め

オルニチンの摂取が特にお勧めできるのは、次のような疾患や症状を持っている方です。

・肝機能低下
・腎機能低下
・腎臓病
・排尿障害
・虚弱体質
・免疫力低下
・創傷
・二日酔い
・肌トラブル
・年齢肌
・基礎代謝低下

オルニチンは肝機能や腎機能、排尿障害などの症状に対して、サポートをしてくれる成分となり得ます。また、疲れやすい、免疫力が低下している、筋肉量低下など、体質が虚弱であることに悩んでいる方にもお勧めです。傷が治りにくいと感じている方にも良いでしょう。

その他、女性特有のお肌の悩みにもお勧めできます。肌トラブル、年齢による肌の悩みなどを感じている方にも適しています。また、基礎代謝の低下は体脂肪をつきやすくして、肥満やメタボリックシンドロームを引き起こすため、オルニチンを積極的に摂取しましょう。

[1]

参考:日本静脈経腸栄養学会『(PDF)褥瘡』

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