知って欲しい、慢性腎臓病(CKD)の原因・症状・予防方法

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心不全・肺水腫

慢性腎臓病による心不全や肺水腫について調べました。どのような症状や治療法があるのかを紹介します。

心不全・肺水腫とは?

慢性腎臓病になると、心不全・肺水腫の合併症になることがあります。特に心不全については、慢性腎不全の患者の死亡原因でトップになるほど多い合併症です。

何故死因が高いのか

心臓は酸素を含んだ血液を全身に送り出す重要な機能を持っていますが、心臓の動きが低下することによって血液の流れが悪くなってしまい滞ります。この滞った状態を「うっ血」と呼び、心不全は「うっ血性心不全」とも呼びます。一方、肺水腫とは、血液の液体成分が血管外へしみだした状態を呼びます。

これらの症状が現れるのは、慢性腎臓病を発症してかなり進行した人が発症するものです。

ステージでいうと4期で尿毒症期に現れます。このステージになると透析が必要で、身体のちょっとした変化にも注意が必要になってきます。そのため、発症しやすく結果的に死に至るケースが多くなっているというのが現状です。どちらにも共通しているのが、呼吸が苦しくなるということです。呼吸が苦しくなり、酸素を必要以上に取り込もうとして、結果として心臓に負担を与え心不全になるケースもあります。

心不全と慢性腎臓病の関係性を調べた研究も多々あり、その死亡率は症例が少ないのでまだ断定するまでは至ってませんが、大きく関係していると言われています。

参考文献

何故慢性腎臓病と心不全が関係しているのか

一見無関係にみられそうな2つの症状ですが、どうして慢性腎臓病を発症している人が、心不全になってしまうのでしょうか。それは、腎機能が悪化すると心臓に悪影響が生じるからです。腎機能の悪化により、像法弁輪石灰化、大動脈弁硬化が悪化します。その結果、大動脈に雑音がみられ不整脈や心不全のきっかけを作ります。腎機能が低下することで、血液の循環に悪影響を与えることが最終的に心不全へとつながるため、慢性腎臓病の人は、心不全の発症に注意をする必要があります。

肺水腫の関係は

腎臓機能が低下すると、心臓に悪影響があることがわかりました。その結果として血液の流れが悪くなり最終的に肺水腫を発症してしまうのです。

この2つの病気は、すべて慢性腎臓病から発症してしまう病気なので注意をする必要があります。

2つの病気と慢性腎臓病の関係性がわかったところで、それぞれの症状や原因、予防方法について紹介していきましょう。

心不全・肺水腫の症状

心不全・肺水腫ともに代表的な症状は呼吸困難です。しかし、呼吸困難以外にも細かい症状があります。

慢性うっ血性心不全

慢性うっ血性心不全になると心臓の機能が弱まるため血液の流れが悪くなり、肺が正常に機能できずに呼吸困難に陥ります。また全身がうっ血すると血圧が高くなり血液中の水分が漏れ出して全身にむくみが現れます。軽傷の場合は、体を起こしている場合よりも寝ていた方が楽ということがありますが、重症になると寝ている状態の方が辛いということがあるので、注意が必要です

肺水腫

肺水腫の場合、呼吸音が独特です。ゼーゼーという荒い呼吸やヒューヒューと音がなることもあります。低酸素状態が続いていると、呼吸音だけではありません。身体の目に見える部分にも変化が起きていきます。代表的なのは、皮膚や唇が紫色に変色します。また、急な血圧低下やショック状態、意識障害が起きてしまうのもの特徴です。また、ピンク色の泡状の痰が出ることがあります。これは、心臓が原因で肺水腫が起きる症状でもあります。

心不全・肺水腫の原因

心臓のポンプ機能が慢性的に低下すると、血液循環が上手くいかず、全身にしっかり酸素を送れずに血液の流れが渋滞して「うっ血」となります。
慢性うっ血性心不全の原因で最も多いのは「虚血性心疾患」です。虚血性心疾患になると、心臓の働きに必要となる栄養が不足して心臓機能も低下してしまいます。
他にも多い原因としては大動脈弁狭窄症などの心臓弁膜症です。心臓弁が硬くなり、血液が通りにくくなることでうっ血します。また、食塩の摂取過剰もナトリウムが血液中に増えすぎるため体液過剰となりうっ血します。
また、他の要因としては、睡眠時無呼吸症候群も大きく関係していると言われています。睡眠時に無呼吸状態が続いていると、体内の血液状態が不足した状態になります。この時に呼吸が再開されると、必要以上に酸素を体内に送ろうと働きます。この時心臓に負担をかけるので、結果として引き起こす要因となっています。

原因は2種類

肺水腫の原因は大きく分けて、非心原性肺水腫(肺の毛細血管静水圧の上昇で液体成分が漏れ出ること)、心原性肺水腫(肺毛細血管壁の病的変化により液体成分が漏れ出ること)の2つがあります。
非心原性肺水腫の場合、原因は肺炎や敗血症、重症外傷といった外部要因で引き起こされます。高山病などもその原因の1つとしてあげられます。どちらかというと、慢性腎臓病が原因ではありません。
しかし、心原性肺水腫の場合はそうではありません。心不全、虚血性心疾患、心臓弁膜症、重症高血圧症など心臓に関わる病気が原因で発症されます。心臓に負担をかけることで、左心室の働きを低下させます。そして、血液の循環が停滞することにより、結果として肺静脈に血液が停滞して肺水腫を起こす要因につながります。
つまり、2つの病気の要因をたどっていくと、腎臓病が原因で心臓の働きを低下させてその結果、肺水腫まで引き起こしてしまうということになります。そのため、腎臓病の進行がひどい人はこのような病気に注意をする必要があると言えます。

心不全・肺水腫の治療

心不全の治療は、利尿薬や少量のβ遮断薬、RAS阻害薬などを用いた薬物治療を行うのが一般的です。薬物治療以外では睡眠時無呼吸症候群(SAS)を歯症している方に、陽圧呼吸療法や口腔内装置治療、在宅酸素療法を行い対応します。
肺水腫の場合は原因となる疾患の治療を行い、血液中の酸素濃度を上げるために酸素吸入や人工呼吸器を用います。

個人的にできる対策方法は

それでは、心不全・肺水腫を予防する方法は無いのでしょうか。それぞれの対策方法についても詳しく紹介していきましょう。

心不全

心不全に一度なってしまうと、心機能を再び復活させることはかなり難しいとされています。

そのため、心不全になる前に気をつけなければいけないのが、心臓に負担を与えるようなことをしないということです。これは、心不全を発症したあとでも通用する方法なので、是非取り入れましょう。

たとえば、規則正しい生活をしたり、暴飲暴食を避けたり、塩分を控えたりとどれも腎臓病に通ずるような予防方法です。このようなことに意識をして生活を送れば、心不全になることはありません。もちろん、腎臓病の進行が進んでいる人は、病院に定期的に通い検査を受けることが重要です。

肺水腫

肺水腫の場合、対策は1つしかありません。手遅れにならないうちに病院にいくことです。発作や呼吸困難が起きた状態になると、かなり進行が進んでいて死に繋がる場合があります。病院での処置が救命率を高くします。また、普段寝る時に座った状態の方が楽という人は、肺水腫にかかっている可能性があります。

寝苦しさを感じた段階で、一度病院に行くのもオススメです。

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