よくわかる慢性腎臓病(CKD)ガイド 予防・早期発見・合併症防止のためにできること

知って欲しい、慢性腎臓病(CKD)の原因・症状・予防方法

よくわかる慢性腎臓病(CKD)ガイド 予防・早期発見・合併症防止のためにできること

慢性腎臓病(CKD)とは?

腎臓は血液や老廃物の循環を整える、人体の中でも特に重要な働きをする臓器です。慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease 通称:CKD)とは、そんな腎臓の機能が恒常的に低下してしまう病気です。

CKDはあらゆる人に発症のリスクがあり、日本国内の潜在患者は1300万人以上もいると言われています。このサイトでは、原因や初期症状、日常生活での注意点などを紹介しています。

知っておきたい慢性腎臓病の初期症状

~複数当てはまる人は医師の受診を~
  • むくみ…老廃物が滞留し、顔や手足がパンパンにむくんでしまいます。特に、起床時に頻繁にむくんでいるようなら要注意です。
  • 貧血…腎臓は血液循環の司令塔なので、貧血や立ちくらみが頻繁に起こるようだと、腎機能が低下している可能性が考えられます。
  • 倦怠感…食欲不振・吐き気・頭痛など、日常的な体調不良を感じるようだと、知らないうちに腎臓病が進行している恐れがあります。
  • 夜間尿…尿の濃縮機能が低下することで、夜間でもトイレに行く頻度が多くなります。さらに、透明な未濃縮の尿が出るようだと要注意です。
  • 血尿…尿に血が混じる場合、血液をろ過する腎臓の「糸球体」になんらかの障害が起こっている可能性があります。

慢性腎臓病はゆったりと発症していくので、場合によっては「すでに慢性腎臓病が進行している」可能性もあります。自分でも健康診断や人間ドックの数値に注意し、できるだけ早期に見つけられるようにしましょう。

要チェック!健康診断で
注目したい数値

尿たんぱく値
尿中にたんぱく質が多いと、腎臓が上手く機能できていない疑いがあります。尿たんぱく値が『陽性(+)』になった場合は、医師の診断を受けましょう。

血清クレアチニン値
血液中の老廃物である血清クレアチニンが尿に含まれている場合も、腎機能の低下が疑われます。男性なら1.1mg/dl、女性なら0.8mg/dl以上だと注意が必要です。

慢性腎臓病が悪化するとどうなる?
グレードと症状

進行具合や腎機能を表す『eGFR値』を基に、慢性腎臓病は5つのステージに分けられます。それぞれの症状やリスクに関して見ていきましょう。

gradeグレード01
ステージ1 eGFR値90以上潜在的な進行状況で、自覚症状もほとんどありません。「腎臓障害はあるものの働きは正常~軽度の機能低下」のため、多くは健康診断で発見されます。
gradeグレード02
ステージ2 eGFR値60~89ここでも自覚症状は少ないですが、医師の監修のもと、エネルギー制限や塩分制限、たんぱく質制限などに取り組みます。血圧管理の薬や脂質管理の薬など、薬物療法も行われます。
gradeグレード03
ステージ3 eGFR値30~59腎臓機能が健康な時の半分近くまで低下している状態で、専門医による本格的な治療が必要となります。自覚症状としてむくみや疲れ、尿異常などが現れます。
gradeグレード04
ステージ4 eGFR値15~29腎臓機能が健康な時の30%以下まで低下している常置です。むくみや疲れのほか、高血圧や貧血といった症状も現れます。失った機能はほぼ回復させることができません。
gradeグレード05
ステージ5 eGFR値15未満腎臓機能が極度に低下している状態です。ほとんど機能しない状態を「末期腎不全」と呼び、透析療法や腎代替療法が必要になります。日常生活への影響も深刻になります。

発症予防と悪化防止のために心がけたい、
3つのこと。

腎臓は再生力が弱く、失った機能を取り戻すことはほぼ不可能だと言われています。
弱った腎臓と長く付き合っていくためには、腎臓に負担をかけず、症状を悪化させない行動が重要です。

生活習慣・食事内容
の改善

最も基本的かつ効果的なのは、食事内容を管理することです。腎臓に負荷のかからないように、カロリー・タンパク質・塩分などを、医師の監修のもとに制限した食事を摂るようにしましょう。

もっと詳しく見る

腎臓サポート成分
を摂る

控えたほうがいい成分がある一方、腎臓への負担を軽減させる成分もあります。こうしたサポート成分を意識的に摂ることで血圧や尿回路を安定させ、腎臓を長持ちさせる工夫をしていきましょう。

もっと詳しく見る

病院での定期的な
検査と治療

生活指導・食事指導・投薬など、病院での医師の指示は必ず守るようにしましょう。腎臓の専門医団体などもあるので、慢性腎臓病で悩んでいるなら、まずは医師の診察を受けるようにしてください。

もっと詳しく見る

要注意!
慢性腎臓病と
高血圧の悪循環

血圧手帳

慢性腎臓病と高血圧は、とても密接な関係にあります。そもそも、ドロドロな血液が腎臓の負荷を増やし、慢性腎臓病の原因になります。さらに、腎臓の機能が弱まることで血液のろ過が上手くいかなくなり血圧が上がる→また腎臓に負荷がかかる→また血圧が上がる……という悪循環に入ってしまうと、慢性腎臓病は悪化の一途を辿ってしまいます。高血糖のドロドロ血液を改善し、血圧を落ち着かせることは、最も重要な慢性腎臓病対策になるのです
尿たんぱく値・血清クレアチニン値・eGFR値のチェックはもちろん重要ですが、日常的な『血圧』のチェックも必ず行うようにしましょう。

もっと詳しく見る

血圧手帳

慢性腎臓病が進行すると?
どうなるの

慢性腎臓病の合併症

気付かないうちに腎臓機能が低下してしまう慢性腎臓病では、腎機能障害に伴うさまざまな合併症が現れ始めます。合併症の出現はひとりひとり時期が違いますが、腎機能障害は回復することが難しいため、どの合併症も発症する可能性があることを知っておきましょう。発症する可能性の高い合併症は次の通りです。

  • 尿濃縮力障害
    腎臓機能が低下していると尿の濃さを調節する力(尿濃縮力)の障害が起きます。たくさんの尿が出たり、夜間に頻繁にトイレに行くようになったりなどの症状が出ます。
  • 高窒素血症
    腎臓の糸球体のろ過機能が低下することで、血液中の尿素窒素が上昇します。尿素窒素が上昇すると腎臓の糸球体に負担をかけてしまい、高度になると尿毒症の症状が出現します。
  • 体液過剰・高カリウム血症
    体内に入った塩分やカリウムはほとんどが腎臓から排出されるため、腎臓機能が低下すると十分な排出ができず、体液過剰や高カリウム血症になります。
  • 代謝性アシドーシス
    人体は腎臓の力によって弱アルカリ性を保っていますが、腎臓の働きが低下すると酸性に傾きます。酸性になると、頭痛・低血圧・疲労感・不眠などを発症する危険性があります。
  • 腎性貧血
    腎臓機能が低下すると、血液中の赤血球の数が少なくなり貧血になりやすくなります。階段を上がる時に動機や息切れがしたり、倦怠感があったりします。
  • 二次性副甲状腺機能亢進症
    腎臓機能が低下するとカルシウムの吸収が不足して、血液中のカルシウム濃度が低下してしまいます。これによりカルシウムとリンのバランスが崩れ、骨が弱まります。
  • 心不全・肺水腫
    慢性腎臓病は、虚血性心疾患・大動脈弁狭窄症・慢性うっ血性心不全を引き起こします。また肺の中に水がたまる肺水腫も、呼吸困難をはじめさまざまな症状をもたらします。
  • 感染症
    感染症やウイルスによる感染症が腎臓や膀胱に影響を与えることがあります。細菌が尿路に入り込む尿路感染症や、腎臓と尿管の間に細菌が入り込む腎盂腎炎などが挙げられます。
  • 透析の必要性
    腎臓病の進行が進むと、最終的には人工透析が必要になってきます。血液を循環させる方法なので、透析を始めたばかりだと吐き気や頭痛といった副作用も見られますが、腎臓病が進行しても人工透析のおかげで普段と変わらない生活を送ることも可能です。腎臓病と上手く付き合っていくためには、人工透析の力を借りる可能性もあると覚えておきましょう。
  • 完治させることはできる?
    腎臓が徐々に衰えて機能が低下してしまう慢性腎臓病では、再生能力が弱いために一度失った機能を取り戻すことができません。つまり腎臓病は完治がほとんどできない病気なのです。では治療は何のために行うかというと、病気の進行を食い止めて腎機能を長持ちさせるため。残された機能を低下させず持続させるために、食事療法や薬物療法を取り入れます。